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蓄電池のメリット・デメリットは?蓄電池の種類や補助金制度も解説

「蓄電池のメリット・デメリットって何?」
「蓄電池の種類や普及率についても教えてほしい」
「導入時の補助金制度ってあるの?」


蓄電池の導入を考えている方のなかには、このようなお悩みを持つ方もいるのではないでしょうか。

蓄電池とは、電気を貯めたり、貯めた電気を必要なタイミングで使ったりできる設備のことです。「二次電池」とも呼ばれ、貯めた電気がなくなっても充電して繰り返し使用できます。

この記事では、蓄電池のメリット・デメリットについて詳しく解説します。蓄電池の普及率や補助金制度について詳しく把握したうえで、蓄電池がご自身の家庭に適しているか判断できるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。

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目次

蓄電池の4つのデメリット

蓄電池にはメリットがある一方で、デメリットも存在します。デメリットとして、主に以下の4つが挙げられます。

メリットだけでなくデメリットも把握しておくことで、本当に蓄電池がご家庭に適しているのかを判断しやすくなります。ここでは、それぞれのデメリットについて詳しくみていきましょう。

デメリット1. 初期費用が高めである

蓄電池は、初期費用が高いことがデメリットです。経済産業省の情報によると、2019年度における蓄電システム価格と工事費の相場は、蓄電容量1kWhあたり18.7万円です。蓄電池の導入によって電気代を削減できたり停電に備えたりできますが、経済的な効果は長期的なスパンで捉える必要があるでしょう。

ただし、蓄電池を導入する際、国や地方自治体から補助金が支給される場合があります。お住いの自治体や蓄電池の販売元などに確認しましょう。

補助金制度の情報は「蓄電池をお得に導入するには?補助金制度を利用しよう」の章で解説しています。ぜひ参考にしてみてください。

デメリット2. 経年劣化により蓄電能力が低下する

長期間の使用によって劣化し、蓄電能力が徐々に低下することも、蓄電池のデメリットの1つです。メーカーのカタログに記載されている寿命やサイクルなどはあくまでも目安で、実際には使用環境や使い方によって経年劣化が早く進む可能性があるのです。

また、蓄電池にはリチウムイオン電池や鉛蓄電池など複数の種類がありますが、リチウムイオン電池は高温環境に弱いといった特徴を持ちます。そのため、蓄電池が高温の状態で充電・放電を繰り返すことで劣化が早まる可能性があります。

蓄電池を選ぶ際は、利用する環境や使用する頻度なども踏まえて検討するのがおすすめです。

デメリット3. 貯められる容量に限界がある

蓄電池は、貯められる容量が決まっています。充電する時間が長ければ長いほど、蓄電池に電気が貯まるわけではありません。

ポータブルタイプの蓄電池や容量の小さい蓄電池であれば、長時間使用すると電気が足りなくなることもあるでしょう。非常時に使用する場合は、使い方を十分に考える必要があります。

蓄電池によっては、モード設定や放電開始時間・残量などの設定が可能です。設定を上手く使うことで蓄電池を効率的に運用しましょう。

デメリット4. 設置場所の確保が必要である

蓄電池によって屋外や屋内に設置するタイプがあり、機器に適した設置場所の確保が必要です。

蓄電池の大きさはメーカーや容量によって異なるため、放熱や操作性を確保するスペースも必要です。ご家庭ごとの設置できるスペースを確認したうえで適切な蓄電池を選ぶようにしましょう。

蓄電池の4つのメリット

蓄電池を導入するメリットは、主に以下の4つです。

それぞれのメリットについて詳しく解説します。

メリット1. 電気代の削減につながる

蓄電池を上手く活用することで電気代の削減が可能です。

時間帯によって電気料金単価が異なるプランなら、単価が安い時間帯に蓄電し、単価が高い時間帯に蓄電池内の電気を使うことで電気代を節約できます。

また、太陽光発電と蓄電池を組み合わせて利用すれば、太陽光によって発電した電気を蓄電池に貯めることが可能です。発電量が消費量を上回るときに蓄電し、夜間や雨天時など発電できないときに貯めておいた電気を使用することで、電気代を節約できます。

メリット2. 災害・停電などの非常時に電気が使える

蓄電池に貯めた電気は好きなタイミングで使えるため、災害時・停電などの非常時に備えられます。停電が発生しても、蓄電池の容量に応じて一定時間は自宅で電気を使用できます。

たとえば、冷蔵庫や照明器具、エアコン、スマートフォンの充電など、日ごろ使用する機会の多い家電が使用できないと、困る方も多いでしょう。

しかし、停電中においても蓄電池があれば、容量に応じて一定時間は電気を使用できるため安心です。太陽光発電を設置しているご自宅なら、一定期間の停電が発生しても、生活に必要最低限の電力は太陽光発電でまかなえるでしょう。

メリット3. 太陽光発電の電気を貯めて使用できる

ソーラーパネル

蓄電池は太陽光発電と組み合わせて利用することで、発電した電気を貯めて夜間や雨天時に使用することが可能です。

太陽光発電は、自然エネルギーである太陽光をもとに発電するシステムのため、雨天時には発電効率が大幅に低下します。そうした太陽光発電のデメリットを補うのが、蓄電池です。

蓄電池を導入すれば、日中に使いきれない電気を無駄にすることなく、ご家庭で有効活用できます。発電した電気を電力会社などへ販売する比率を減らして蓄電し、夜間や雨天時の自家消費に充てるといった使い方も可能です。

また、太陽光発電は、電気代の高騰の影響を受けない点も強みです。蓄電池とセットで効率的に使うことで電気代の節約にもつなげられるでしょう。

メリット4. エネルギー・環境問題対策に貢献できる

蓄電池を活用することでピークシフトが可能です。ピークシフトとは、電気を使うタイミングを電力需要の多い昼間から、電力需要の少ない夜間などにずらすことです。

昼間は使用される電気も多く、排出される温室効果ガスも増加します。ピークシフトによって電力需要を平準化できるため、火力発電所の効率的な運用が可能です。

つまり、ピークシフトをおこなうことで、結果的に温室効果ガスの排出を減らすことにつながります。

ピークシフトをおこなうことは、日本が掲げる2050年のカーボンニュートラルの実現にも貢献できます。

蓄電池の利用は生活を豊かにし、日本のエネルギー・環境問題対策への成果にもつながるため大きなメリットだと言えるでしょう。

「蓄電池はやめたほうがいい」と言われる3つの理由

「蓄電池はやめたほうがいい」という意見があるのは、以下のような理由があるからです。

  1. 蓄電池だけでは元が取れない可能性があるから
  2. 太陽光発電の発電量が下がることがあるから
  3. 業者と揉めるリスクがあるから

ここからは、それぞれの理由について解説します。

1. 蓄電池だけでは元が取れない可能性があるから

蓄電池のみ設置することは可能ですが、蓄電池単体だけだと初期費用が高く元が取れない可能性があります。

経済産業省が公開している資料によると、蓄電池にかかる初期費用は1kWhあたり18.7万円です。一般家庭で用いられる蓄電池の容量は10kWh前後であるため、初期費用として200万円ほどかかります。

初期費用に対してどれくらいの期間で費用を回収できるのかを計算しておくことで、やみくもに「元が取れない」と心配することはなくなるでしょう。

2. 太陽光発電の発電量が下がることがあるから

「蓄電池はやめたほうがいい」と言われる理由として、蓄電池の設置によって太陽光発電の発電量が下がるケースがあることも挙げられます。

発電量が低下するケースは、ハイブリッドタイプを導入した際に起ります。ハイブリッドタイプとは、太陽光発電と蓄電池のパワーコンディショナをひとつにまとめたタイプのことです。

本来、太陽光発電で作った電気を蓄電池に貯めるには、それぞれパワーコンディショナが必要です。ハイブリッドタイプなら1台に集約できて便利ですが、太陽光発電の入力回路の数に注意しないと発電量が低下します。

たとえばこれまで入力回路が4本のコンディショナで発電していた場合、同じように4本の入力回路に対応したハイブリッド型パワーコンディショナの蓄電池が必要です。入力回路が3本になると、回路が減って発電量が低下してしまいます。

太陽光発電の入力回路の本数に気をつけることで、発電量の低下を回避できるでしょう。

3. 業者と揉めるリスクがあるから

蓄電池を設置する際に業者と揉めるリスクがある点も、「蓄電池はやめたほうがいい」と言われる理由のひとつです。

独立行政法人国民生活センターによると、契約を急かしたり長時間にわたって勧誘したりする悪質な業者がいることがわかっています。ほかにも、業者の説明と違い、補助金を受け取れなかったトラブルも報告されています。

上記のトラブルを踏まえ、蓄電池を購入する際は以下の点を意識しましょう。

  • 蓄電池に関する突然の訪問があった際は、事業者名や目的を確認する
  • メリットだけでなくデメリットや導入費用も考慮する
  • その場で契約せず相見積もりをとって比較検討する
  • 契約書の内容を確認して契約する
  • トラブルの際は消費生活センターに相談する

蓄電池を導入したほうがよい人の特徴3つ

蓄電池を導入したほうがよい人の特徴は、以下の3つです。

  1. 太陽光パネルを設置している人
  2. オール電化の家に住んでいる人
  3. 住んでいる自治体に補助金制度がある人

上記の特徴に当てはまる場合は、蓄電池のデメリットをカバーできるケースがあります。ここからは、それぞれの特徴について解説します。

1. 太陽光パネルを設置している人

自宅に太陽光パネルを設置している場合、蓄電池を導入することで電気代の節約につなげられる可能性があります。

太陽光パネルで発電した電気を蓄電池に貯めることで、自家消費できます。余った電気は夜や早朝などの発電できない時間帯に利用することで、購入する電力量を抑えられるでしょう。

2. オール電化の家に住んでいる人

オール電化住宅では電気を中心に利用する生活のため、蓄電池を導入することで電気代の節約につなげられるでしょう。

日中は電力の需要が高いため、電気料金が高くなりがちです。電気料金の安い時間帯に蓄電池に電気を貯めたり、太陽光発電を利用して電気を貯めたりすれば、自家消費が可能なので、時間を気にせず電気を使用できます。

3. 住んでいる自治体に補助金制度がある人

住んでいる地域の自治体に補助金制度があれば、通常よりも費用を抑えて蓄電池を設置できます。補助金制度については、次の「蓄電池をお得に導入するには?補助金制度を利用しよう」の章で解説しています。

蓄電池をお得に導入するには?補助金制度を利用しよう

補助金のイメージ

補助金制度を上手く活用することで、お得に蓄電池の導入が可能です。補助金は、国や地方の自治体が用意し、購入者が申請したり販売店が代理で申請したりすることで受け取れます。

ここでは、国から支給される補助金と、地方自治体から支給される補助金の2つについて詳しくみていきましょう。

補助金1. 国から支給される補助金

国から支給される蓄電池の補助金には、DR補助金(電力需給ひっ迫等に活用可能な家庭・業務産業用蓄電システム導入支援事業)やDER補助金(分散型エネルギーリソースの更なる活用実証事業)などがあります。

以下の表は、それぞれの補助金制度の特徴をまとめたものです。

補助金制度制度の特徴
DR補助金活用可能な家庭用・業務用蓄電池を導入する際の支援事業費補助金。平時のみならず、電力需給がひっ迫した際などにも活用できるリソースを確保することで、電力の安定供給に貢献することを目的としている。家庭用蓄電システムや業務産業用蓄電システム導入に対して補助金が支給される
DER補助金DER実証事業に参加する人たちに対して支給される補助金。DERの実証を終えた後に高額な補助金が支給される。太陽光発電を設置済みの方、または太陽光発電と同時に蓄電池を設置する方が支給の対象※2024年7月現在は公募期間終了済

それぞれの補助金は支給の対象や条件が異なりますので、申請を予定されている方はもちろん、蓄電池の導入を検討している方も一度情報を確認しておくとよいでしょう。

補助金2. 地方自治体から支給される補助金

都道府県や市区町村などの自治体からも、蓄電池の補助金が支給される場合があります。ただし、都道府県によって支給される補助金や募集条件などが異なりますので、注意が必要です。

補助金制度が用意されている都道府県について、以下の表をご覧ください。

地方都道府県
北海道・東北北海道青森県岩手県宮城県山形県福島県
関東東京都神奈川県埼玉県千葉県栃木県群馬県茨城県
中部愛知県新潟県富山県石川県福井県山梨県長野県岐阜県静岡県
近畿大阪府滋賀県奈良県兵庫県
中国鳥取県広島県
四国香川県高知県
九州・沖縄長崎県大分県宮崎県鹿児島県
※2024年7月時点の情報(受付終了している都道府県あり)

都道府県の情報を調べ、国からの支給以外に適用される補助金がないのか確認しておきましょう。

なお、蓄電池の補助金制度については、以下の記事でも詳しく解説しています。あわせて参考にしてみてください。

【あわせて読みたい】【最新】蓄電池の補助金制度とは?申請方法や注意点も解説

メリット・デメリットを理解してから蓄電池を導入しよう

この記事では、蓄電池のメリット・デメリットについて詳しく解説しました。蓄電池は、電気を貯めて好きなタイミングで使用できるのが大きな特徴です。

太陽光で発電した電気や電気代が安い時間帯の電気を貯めて、電気代が高い時間帯に使用することで電気代を削減できます。また、停電などの非常時でも貯めた電気が役立つのもメリットです。

ただし、初期費用が高かったり設置場所の確保が必要だったりと、デメリットもあります。そのため設置場所を事前に確保したうえで、蓄電池の補助金制度などを活用するのがおすすめです。

メリットやデメリットを把握したうえで、お得に蓄電池を導入しましょう。

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※CDエナジーの電気料金は、燃料費調整単価に上限なし。一方で、東電EP「従量電灯B」には燃料費調整単価に上限があるため、燃料価格の高騰により上限を超えた場合、燃料費調整額により、CDエナジーの電気が割高になる場合があります。

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