「最近電気代が高くなった気がする…」
「電気代の請求って基本料金と電力使用量だけで決まるんじゃないの?」
「燃料費調整額ってみんな払わなきゃいけない?」
ここ数年、電気代が高くなったと悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
電気代が高くなった理由は、さまざまです。特にここ数年、電気代が高くなっている要因として考えられるのが、電気料金に含まれる「燃料費調整額」の影響です。燃料費調整とは、燃料費調整制度に基づき、燃料費の価格変動に応じて電気料金を調整する仕組みのことを指します。
この記事では、電気料金に「燃料費調整額」が加算、もしくは減算される目的と具体的な計算方法を解説していきます。ぜひ参考にしてみてください。
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燃料費調整制度とは
燃料費調整制度とは、火力発電で用いる燃料の価格の変動を、毎月の電気料金に反映させる制度です。電気をつくるために必要な燃料は、市場や為替などの外部要因で価格が変わります。
この価格変動に合わせて「燃料費調整額」が決まり、電気料金として調整される仕組みとなっています。
なぜ燃料費調整制度があるの?
燃料費調整制度は、事業者の効率化努力のおよばない燃料価格や為替レートの影響を外部化することにより、事業者の経営効率化の成果を明確にし、経済情勢の変化を出来る限り迅速に料金に反映させると同時に、事業者の経営環境の安定を図ることを目的とし、平成8年1月に導入されました。
(出典:資源エネルギー庁ウェブサイト|燃料費調整制度-電気料金について)
国内で使われる電力の約75%が火力発電でまかなわれています。火力発電の燃料である原油や液化天然ガス(LNG)、石炭は、輸入に頼っている状況ですが、毎回同じ価格で輸入できるとは限りません。世界情勢の影響を受け、安く輸入できることもあれば、輸入価格が高騰することもあります。
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※お得額の算定条件について
※おトク額は、各世帯別のモデル使用量(契約容量40A)をもとに東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の適用単価とCDエナジー「シングルでんき」「ベーシックガス」「ファミリーでんき」の料金を比較し算定しています。
※消費税相当額を含み、燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金を含まず、ガスセット割を適用した金額の比較。年間おトク額は電気・ガスそれぞれを100円未満で切り捨てた額を合計しています。
※実際は電気代には毎月燃料費調整額を加減算。使用状況によりお得額は変動。
※1 ポイント還元にはCDエナジーの家庭向けWEB会員サービス「カテエネ」に会員登録し、電気の契約情報を登録する必要あり。還元されるポイントは「カテエネポイント」。ポイントの対象となる料金は、再生可能エネルギー発電促進賦課金を除く。
※CDエナジーの電気料金は、燃料費調整単価に上限なし。一方で、東電EP「従量電灯B」には燃料費調整単価に上限があるため、燃料価格の高騰により上限を超えた場合、燃料費調整額により、CDエナジーの電気が割高になる場合があります。
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燃料費調整額の仕組みと計算方法
燃料費調整額は、電気料金の中では電力量料金の一部として計算されます。算定式に基づいて「燃料費調整単価」が決まり、電力の使用量に応じて電気料金に反映されます。燃料価格が高い時期には電気料金に加算され、安い時期には電気料金から減算されるのが特徴です。
具体的には、次の算定式で電気料金が決まります。
燃料費調整額のプラス・マイナス調整とは
燃料費調整額は、燃料価格が高い時期にはプラス調整され、安い時期にはマイナス調整されます。
平均燃料価格が基準燃料価格より高い場合はプラス調整が、低い場合はマイナス調整がおこなわれます。
料金プランの中には、プラス調整に上限が設定されているものもあります。上限設定がある場合、平均燃料価格が一定額に達すると、燃料費調整額はそれ以上あがりません。
燃料費調整額の計算方法
燃料費調整額は次のように計算されます。
燃料費調整単価は、平均燃料価格と基準単価から次の計算式で算出されます。なお、基準燃料価格、平均燃料価格、基準単価は供給エリアや各電力会社で異なっています。
ここからは、各用語の解説をしていきます。
基準燃料価格
基準燃料価格とは、料金を設定する際に算出した平均燃料価格のことで、供給エリアごとに異なっています。
原油、LNG、石炭の貿易統計価格の平均が基準燃料価格です。これは電力会社が計算する見込み値であり、単純計算では算出できません。東京電力エナジーパートナー(関東エリア)を例にみると、次の3つの平均価格を原油換算して、86,100円となります。
2022年11〜2023年1月の 平均貿易統計価格 | 1klあたりの平均原油価格 | 82,572円 |
2022年11〜2023年1月の 平均貿易統計価格 | 1tあたりの平均LNG価格 | 132,509円 |
2022年11〜2023年1月の 平均貿易統計価格 | 1tあたりの平均石炭価格 | 53,189円 |
平均燃料価格
平均燃料価格は、原油・LNG・石炭ぞれぞれの3カ月の貿易統計価格の実績により毎月計算されます。計算式は次の通りで、α、β、γに入る係数は供給エリアごとに異なっています。
供給エリア (電力会社) | 北海道 (北海道電力) | 東北 (東北電力) | 関東 (東京電力 エナジーパートナー) | 中部 (中部電力 ミライズ) | 北陸 (北陸電力) | |
A:3カ月における1klあたりの平均原油価格 | α | 0.1937 | 0.0247 | 0.0047 | 0.0275 | 0.0380 |
B:3カ月における1tあたりの平均LNG価格 | β | 0.0859 | 0.2573 | 0.3829 | 0.4792 | 0.0702 |
C:3カ月における1tあたりの平均石炭価格 | γ | 1.0027 | 0.8912 | 0.6581 | 0.4275 | 1.2641 |
供給エリア (電力会社) | 関西 (関西電力) | 中国 (中国電力) | 四国 (四国電力) | 九州 (九州電力) | 沖縄 (沖縄電力) | |
A:3カ月における1klあたりの平均原油価格 | α | 0.0140 | 0.0406 | 0.0845 | 0.0053 | 0.0065 |
B:3カ月における1tあたりの平均LNG価格 | β | 0.3483 | 0.0982 | 0.0699 | 0.1861 | 0.1625 |
C:3カ月における1tあたりの平均石炭価格 | γ | 0.7227 | 1.2015 | 1.1962 | 1.0757 | 1.1167 |
基準単価
平均燃料価格が1,000円/kl変動した場合の燃料費調整単価のことです。従量制で契約している場合は次のようになります。
供給エリア (電力会社) | 北海道 (北海道電力) | 東北 (東北電力) | 関東 (東京電力 エナジーパートナー) | 中部 (中部電力 ミライズ) | 北陸 (北陸電力) |
基準単価 (1kWhにつき) | 0.197円 | 0.194円 | 0.183円 | 0.233円 | 0.186円 |
供給エリア (電力会社) | 関西 (関西電力) | 中国 (中国電力) | 四国 (四国電力) | 九州 (九州電力) | 沖縄 (沖縄電力) |
基準単価 (1kWhにつき) | 0.165円 | 0.212円 | 0.141円銭 | 0.136円 | 0.245円 |
燃料費調整額が反映される時期
燃料費調整額は、3カ月間の貿易統計価格が2カ月後の電気料金に反映されます。
具体的な期間は次の図表の通りです。
燃料費調整単価のこれまでの推移
次のグラフは、2020年11月から2022年12月までの燃料費調整単価の推移を示したものです。2年前にはマイナス調整でしたが、2022年2月を境にプラス調整に転じ、その後も上昇していることが分かります。
ここまで燃料費調整額が上昇した要因としては、2022年に始まったロシアによるウクライナ侵攻、円安の加速などが考えられます。自宅の電気の使い方は変わってないのに、電気代が高いと感じた方は、燃料費調整額の上昇が原因の1つかもしれません。
なお、2023年2月分から10月分(2023年1月使用分から9月使用分)の電気料金について、国の「電気・ガス価格激変緩和対策事業」により、1kWhあたり7円の値引きされます。採択された電力会社の多くが値引き単価を燃料費調整単価に反映しています。
燃料費調整額についてのよくある質問
ここでは、燃料費調整額のよくある質問をまとめてみました。
- 電力会社ごとで燃料費調整額に差はある?
- 燃料費調整額はどのくらい高くなる?
- 燃料費調整額の上限撤廃はすべての電力会社が対象なの?
ぜひ参考にしてみてください。
電力会社ごとで燃料費調整額に差はある?
電力会社ごとに加え、供給エリアごとでも基準燃料価格が異なるため、燃料費調整額に差が生じます。また、燃料費調整額の上限設定の有無によっても差が発生します。上限設定のある料金プランの場合、燃料価格が上昇を続けても、上限を超える分は電気料金に反映されません。一方、上限設定がないプランは、上限設定のあるプランよりも電気料金が高くなる可能性があります。
燃料費調整額はどのくらい高くなる?
結論をいうと、燃料費調整額がどのくらい高くなるのかは予測ができません。燃料価格の高騰傾向が続く中、燃料費調整額の上限撤廃を発表する電力会社もあるため、今後の動きについては注意しておく必要はあるでしょう。
燃料費調整額の上限撤廃はすべての電力会社が対象なの?
すべての電力会社が上限を撤廃しているわけではありません。しかし、世界情勢による原油価格の高騰で2020年〜2022年にかけて燃料価格が上昇しています。その結果、上限撤廃を発表した電力会社が増えています。
電気料金が高いと感じたら電力会社の見直しがおすすめ
電気の使い方は変わっていないのに、最近電気代が高くなって困っているという方には、電力会社を見直してみることをおすすめします。2016年4月以降、電力の小売り販売が自由化されたことにより、自由に電力会社を選択できるようになりました。
各電力会社には、独自のサービスやプランが用意されており、ご家庭のライフスタイルに応じた電力会社を選ぶことで電気料金を節約できる可能性があります。
基本料金・電力量料金単価などの料金単価のほか、燃料費調整額の上限設定の有無や、電気料金の支払いでポイントが貯まるなどの特典を比較し、ご家庭に合った電力会社を探してみてはいかがでしょうか。
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※お得額の算定条件について
※おトク額は、各世帯別のモデル使用量(契約容量40A)をもとに東京電力エナジーパートナー「従量電灯B」の適用単価とCDエナジー「シングルでんき」「ベーシックガス」「ファミリーでんき」の料金を比較し算定しています。
※消費税相当額を含み、燃料費調整額および再生可能エネルギー発電促進賦課金を含まず、ガスセット割を適用した金額の比較。年間おトク額は電気・ガスそれぞれを100円未満で切り捨てた額を合計しています。
※実際は電気代には毎月燃料費調整額を加減算。使用状況によりお得額は変動。
※1 ポイント還元にはCDエナジーの家庭向けWEB会員サービス「カテエネ」に会員登録し、電気の契約情報を登録する必要あり。還元されるポイントは「カテエネポイント」。ポイントの対象となる料金は、再生可能エネルギー発電促進賦課金を除く。
※CDエナジーの電気料金は、燃料費調整単価に上限なし。一方で、東電EP「従量電灯B」には燃料費調整単価に上限があるため、燃料価格の高騰により上限を超えた場合、燃料費調整額により、CDエナジーの電気が割高になる場合があります。
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燃料費調整額を理解して電気代を賢く節約しよう
燃料費調整額は、わたしたちの生活に不可欠な電力を安定して提供し続けるための仕組みの1つです。
主に火力発電に用いられる燃料の価格は、世界情勢の影響を受けて変動することが特徴です。燃料費調整額は、燃料価格の変動に応じて算定されます。燃料価格が高い時期には電気料金に加算され、逆に安い時期には減算されるという仕組みです。
「最近電気代が高くなった…」と悩まれている方は、燃料費調整額が影響しているかもしれません。電気料金を効果的に節約するためには、電力会社の見直しをおこなうことも視野に入れてみてください。
※この記事の内容は公開日時点の情報です。最新の情報とは異なる可能性がありますのでご注意ください。